残滓

保護犬カフェ・パーク と ライブ と ビーズ作品

チャイメリカ

超久しぶりの観劇。

兵庫公演の最終日、夜の部、観てきたー。

 

今回は民仲間(何の民かはわかる人にはわかるはず)で協力しあって、なんとか取れたチケット。

たぶんうち1人やったら取れんかった。

心から感謝。

 

会場は兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール。

初めて行ったけど、駅の改札出てから屋根のある歩道でつながってて、超便利。

すごい綺麗なホールで、最近は演劇の関西公演でよく使われてるらしい。

大ホール、中ホール、小ホールとあって、キャパも幅広く対応できるしね。

大阪から行っても梅田から阪急の特急で15分やし、下手に乗り換えが多いとこにある会場より行きやすくていい。

 

入口入ってすぐのところにクロークがあって、上着や手荷物を預けることができる。

トイレも個室の数が多くて、行列ができてもさくさく進む。

入場したらチラシの束(手提げ袋入り)を渡されるけど、いらん人のために「不要なチラシはこちらへ」とチラシを入れる箱が置かれてたり。

鍵付きの傘置き場もいっぱいあったし、心地よく観劇できるような心配りがたくさんなホールやなという印象。

大阪にもこういうホールがあったら、観劇の趣味も続いてたかもな…。

 

以下、ネタバレしまくりの感想があります。

まだ宮城公演、福岡公演があるので、「続きを読む」に隠します。

 

 

正直に申し上げて「この作品を見たい」というよりは、「圭くんとまっしーを生で見れる!」ということで観に行った。

ミーハーですみません。

昔は「テレビ俳優で客寄せする舞台なんて」とか思ってたのに(笑)

でももう今はテレビ・映画・舞台、全部やる人も多いしね。

 

天安門事件を土台にした戯曲なので、とにかく終始重くて暗い。

そして難しい。

社会科全般苦手なうえに、原作が外国人(UK)なので言い回しが日本人から見て不自然に感じるのとで、たぶん半分も理解できてないまま話がどんどん進んでいった(笑)

 

1幕 1時間45分/休憩15分/2幕 1時間10分 合計3時間10分という長時間の舞台。

しかし1幕はものすごい速いテンポで進んでいく。

ステージ中央が大きいターンテーブルみたいに回転するようになってて、セットチェンジがすごい早い。

ステージの中央に縦長のスクリーンが下りてきて、映像が映し出されてる間にその後ろでセットチェンジしたり。

ステージ前方だけ明るくして、暗い後方でセットチェンジしたり。

(今は「暗転してる間にセットチェンジ」というのはダサいらしい)

中国とアメリカに分かれて、それぞれのドラマが演じされるせいもあって、目まぐるしいくらいセットが変わる。

路上で話してたかと思ったら、2秒もせんうちにレストランのシーンになったり。

舞台装置を駆使した演出がすごかった。

 

そんな早いテンポで進む中、1幕前半は特に圭くん出ずっぱりのしゃべりっぱなし。

台詞量、とんでもねぇ。

しかも公演中にテレビドラマクランクインしたとか、スケジュール鬼畜すぎるやろ。

 

まっしーはとにかく声が素敵。

ナレーションの仕事も多いのもわかる。

抑揚の幅の広さ、シリアス・コミカル・色っぽく・激しく、いろんな声の演技が聴けた。

倉科カナさんも声が素晴らしかった。

シャープでスーッと伸びていくような、聞いてて心地いい声。

生の声が聴けるっていうのも、舞台ならではの魅力やね。

 

1幕はひたすら謎が広がっていって、2幕で集約されていく。

正直、1幕はすごく長く感じた。

テンポは速いんやけど、一定のテンションで淡々と進んでいく感じ。

うちの理解度が浅いせいもあって、どこに重点を置いて観たらいいのかがつかみきれんまま1幕が終わってしまった感じ。

ヂァン・リンがビールのおかわりを飲もうとして栓抜きがなくなったとか、どういう意味があるの?

意味があるのかないのかもわからんまま進んで行ってしまって、どうも集中でけへんかった。

そういうのを細かく説明するのもダサい、っていうのもわかるんやけど…。

 

不穏な雰囲気で1幕が終わって、2幕はひたすらエグくてキツかった。

天安門事件自体のエグさもあるし、ジョーの薄情さから人間関係がどんどん破綻していくどうしようもなさ。

そしてしんのくんの迫真の演技がすごかった。

1幕はジョーが主人公やったけど、2幕はヂァン・リンが主人公やったね。

 

ラスト、写真の戦車男にヂァン・リンが重なっていくシーン。

戦車男の正体と、買い物袋の中身が、こんなに静かにこんなに一気に明かされるとは。

「息を呑む」とはこういうことかと実感させられた。

観劇前、ただただ不思議やった戦車男の写真が、観劇後、どうしようもなく心を揺さぶる写真に変わった。

 

一夜明けてから、ふと思った。

まっしー演じるヂァン・ウェイの弟が戦車男で、まっしー演じるポンスゥ(花屋)の弟がその戦車に乗ってた兵士。

観劇中は「ポンスゥの弟が戦車男じゃなかったの?!」と混乱を深めるだけやったけど、鋭い人ならまっしーが2役を演じてた意味に気づいて、ヂァン・リンが戦車男やってわかったのかもね。

こんなメインのキャストが2役するって、不自然やもんなぁ。

 

まったくの予備知識なくまず観て、全員の思惑を理解してからもう1回観たら面白いやろうなぁ。

しかし映画ならそれもできるけど、演劇は今から追加でチケット取るとかでけへんからなぁ。

そもそももう関西公演終わってるし。